「歴史秘話ヒストリア」(ウルトラマンと沖縄〜脚本家・金城哲夫の見果てぬ夢〜)感想2010年09月23日 18時09分30秒

(9/23追記編集。最初のエントリで「金城哲夫研究会」さんから諸般コメントをいただきました。それに関して自分なりに調査し、記事の改題・文章の修正を行いました。時系列的におかしなことになりますが、研究会さんのコメントはそのまま表示してあります)

本ブログ最後のエントリになると思います。

先日、表記の番組を観ました。正直、終盤、金城哲夫氏が不慮の事故で亡くなるまでの足跡の描かれ方に納得が行かず、あまり楽しくは観られませんでした。

以下、手許にあります金城哲夫氏の評伝「ウルトラマン昇天ーM78星雲は沖縄の彼方(文庫になるときに「ウルトラマンを創った男ー金城哲夫の生涯」と改題されています。どちらも絶版、山田輝子著。山田さんは同番組に情報提供者として名を連ねています)を拠り所に意見を述べます。

・金城氏の飲酒問題について

番組では海洋博の頃に酒に溺れていた、と言う感じでサラっと扱われていましたが、実際の金城氏は海洋博担当のずっと前から飲酒問題を抱えていて、レギュラー出演していたラジオ番組を降板させられています(199pを参照)。海洋博の仕事の時点でも問題は解消されておらず、その後も良くならずにやがて転落事故が起きた、と(206pを参照)。

「ヒストリア」では、地元の漁師さんたちになじられたエピをはじめ、海洋博の問題点に関する批判が唐突に金城氏を追い詰めた、ように受け取れるわけですが、それは正確でないように思えます。

・では金城氏を追い詰めたものは?

山田さんは著作で「沖縄ことば(うちなーぐち)が下手だったことを異常に悩んだ」のでは?と推測しています。真相は謎ですが、金城氏が沖縄芝居の脚本を標準語で執筆しそれを翻訳してもらった(230pを参照)と言う事実ははっきりしており、そこから考えるにあながちトンデモな推測とも思えません、。少なくとも、番組が主因的に扱っていた海洋博の問題点に関する批判とかではなく、「よくわからないが、何かがあった」と言う感じには思えます。

・自分なりの所感

遠因/背景的に言えば、金城氏は本土と沖縄の板挟みになったと言えるし、海洋博に殺された?面があるという見方もあるかとは思います。しかし、前記の飲酒問題と謎の苦悩の話がすっぽり抜けてるのでは、「海洋博に殺された」という感じでえらく乱暴に単純化されてしまったように思えます。その2つの話に一定の時間を割き、真相はわからないがこう言う解釈が有り得る、と言うような構成にするべきだったように自分は思っています。

コメント

_ 渡邊豊信 ― 2010年09月20日 10時38分33秒

はじめまして。制作関係で、最初に打ち合わせに立ち会った者ですが、山田輝子氏の著作の間違いが多い点は、現在では明白であり、私が「翼あれば」を復刻したり、「ファン倶楽部」を設立したのは、その間違いが踏襲されないようにとの事からです。玉川学園時代は、山田氏の記憶を重視いたしましたが、帰郷後は、玉城ゆう子氏や、「沖縄物語」の調査は、世良氏に依るところが大きいです。
一番、金城氏の心情を知ってらっしゃったのは、森口豁氏です。
 山田氏の本は、1992年のブームの契機ではあれ、訂正していかなければならないのは事実であります。
ただ、自分達のブログでもふれましたが、金城家の心情に配慮しなければいけません。

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